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ルール(約束)と自主性、そして、判断力

新たな価値創造で認められ、求められる人へ 真の成長と育成は思考塾が担います

 人は社会で生きていくにおいて、様々なルールの中で生活しています。ルールの決め方は非常に難しく、様々な意見や議論が多くの場面でされています。外食産業などで使われている、いわゆる「マニュアル」もルールの一つです。また、学校の校則などもルールです。そして、忘れてはならないのが法律であり、多くの一般ルールの基準となる基本ルールであると言えます。

 前述のように、ルールには様々な難しい面があるのですが、その中で代表的なもののひとつとしてあげられるのが、その内容の詳細さ、言い換えると何処まで決めるかということです。良く知られた例では、いわゆる外食産業、特にファーストフード店などにおけるマニュアルです。食材の取り扱いはもちろんのこと、来店時の言葉、お辞儀の角度など事細かに規定されていることで有名です。あまりの細かさのためにそれを守ることに必死になり、かつ、頼り切ってしまって自分で判断しなくなりマニュアル外の事象には全く対応できない状況を引用して、「マニュアル人間」などという言葉まで生まれました。

 しかし、このような状況に対して簡単に否定してしまうことは適切とは言えません。日本をはじめとする先進国ではコストの多くを人件費が占めるという現実があります。そのため、アルバイトなどが主となり、人の入れ替わりも激しいものとなってしまいます。そのため、教育に割く時間もなければ、懇切丁寧に教育して育てることが難しい実情があります。そのため、いちいち教育をする必要もなく、読みさえすれば業務がすぐに実行できる分厚いマニュアルが生まれたと言えます。またマニュアル化することで平準化が実現でき、対応者によるサービスの不均一化、そして、そこから生まれるクレームを回避することもできます。

 これらは外食産業などのサービス業に限らず、一般企業でも年々ルールは細かく詳細になってきています。また、一時の非行増加に伴って、ルールの代表のもう一つである校則も、時には目を疑うような細かなことまで決められています。確かに、指導する側からすれば、事細かにルール化しておけば楽になります。しかし、本当にそれで良いのでしょうか。

 ここに一つの例があります。顧客満足度、リピート率の高さで知られているディズニーリゾートです。実は、ディズニーにも他を圧倒するような詳細なマニュアルが完備されています。もちろん、キャストの人たちはそれらのマニュアルを理解することを求められます。しかし、彼らの行動はそんな詳細なマニュアルの存在など微塵も見せず、千変万化する状況に的確に対応していることは来園した人は誰もが感じるところです。

 この理由には様々なものがありますが、最も大きな理由は明確な行動規範(行動基準)の存在によるものです。ディズニーにおける行動規範は言わば法律における憲法のようなものであり、マニュアルは民法や刑法にあたるもの、または、場合によっては行動規範を元にした良く起こる事象に対する対応の例示でしかないという位置づけです。したがって、行動規範にさえ反しなければ、仮にその行動がマニュアルに反するものであったとしても、それは正しい行動として判断されます。場合によっては、マニュアルが間違っていると判断されて、改訂されることすらあると言います。

 行動規範の内容は極めてシンプルであり、明確な順位付けがされています。したがって、最優先である第一項を守るためには、マニュアルとの相反はもちろん、憲法である行動規範の第2項以降に反しても良く、それが求められています。それでは、その何よりも優先される第一項とはどんな内容でしょうか。前述の通り、極めて明確で、「お客様の安全」です。ディズニーにおいて最も大きな罪は、お客様の安全を脅かすことなのです。したがって、お客様の安全を守るためには、すべての行動が承認されることが保障されており、その判断は緊急を要する場合には確認の必要はなく、すべてのキャストに判断の権限が与えられています。ディズニーも実はキャストのほとんどは、いわゆるアルバイトであることは有名な話です。すなわち、アルバイトに対して、それだけ大きな権限を与えているのです。そして、彼らは確実にその期待に応えています。

 先般の東日本大震災において、これらのことを示す非常に象徴的な状況が数多くみられました。まず、予想以上の揺れであったことから、キャストたちは揺れが収まったのち、建物の外へ来園者を誘導し、状況の確認を行いながら情報収集に走ります。そして、余震なども起こり、身動きの取れない状況が続きます。そんな中で、キャストたちは誰に言われるでもなく、店内からぬいぐるみを運び出し、これで頭を守って欲しいと防災ずきんの代わりに配り始めます。もちろん、本部への確認などできるはずもなく、それぞれが自分の持ち場で前述の行動規範における最優先事項であるお客様の安全を確保するための最善と判断して行動した結果です。

 そして、次に彼らキャストが取った行動は、今度は店内から食べ物などを運び出し空腹を満たし、気持ちを安らげるために配り始めました。当然、子供向けのおもちゃなども泣き続け、不安そうな子供たちを慰めるために活用されました。もちろん、これらもぬいぐるみと同様にキャストの独断です。しかし、彼らに迷いはありません。しっかりと叩き込まれている行動規範の最優先事項の通り行動しているだけなのです。そんな姿を見て、来園者の中にもキャストを手伝う姿が見られました。そして、店内の商品はどんどん無くなり、倉庫も空になっていきます。それでも、キャストたちは手を休めることもなく、最善の行動を何の迷いもなく自信を持って続けます。もちろん、彼らも経験したことのない揺れと状況に来園者と同様に不安だったはずです。しかし、来園者を最優先として行動したのです。おそらく、当日の来園者は不幸には見舞われましたが、一生忘れることのできない経験と思い出を得たことでしょう。

 しかし、事はここで終わりませんでした。最悪の事態が起こったのです。夕方になって気温の低下に加えて雨が降り出しました。当然、店内の雨具なども総動員しますが、間に合いません。しかし、建物は安全が確認できないため避難場所にはできません。そして、ディズニーは大きな判断を迫られます。園外に出るためにはワールドバザールなどの中を通らなければなりません。しかし、来園者全てを出すには時間がかかりすぎ、安全を確保できません。そして、遂にディズニーはディズニーにとって最大のタブーを犯すという決断をすることになります。この状況の中で、来園者が危険にさらされることなく園外に避難できる唯一の方法、そして、ディズニー最大のタブー、バックヤードの開放を決めたのです。ディズニーは、来園者に対して決して日常を、そして、バックヤードを感じさせてはならないという鉄則を守り抜くことで夢の国を実現しています。しかし、他に方法はありません。お客様を楽しませること、もちろん、これも行動規範の一つです。しかし、何よりも優事される最高位の行動規範であるお客様の安全を守るためには、タブーはタブーではなくなります。かくして、来園者は無事にバックヤードから安全に避難することができました。ただし、この点については幸い本部との連絡手段も確保できていたことから競技は行ったようです。しかし、それでもその判断は迅速でした。

 これらは、マニュアルしかなく、マニュアルからの逸脱が許されないルールであったなら決して実現できませんでした。もちろん、マニュアルにも災害時の対応は記載されていたはずです。しかし、それを超える事態には対応できません。また、最終的には本部との連絡を取り合うことで商品の活用などできたかもしれませんが、ここまでの迅速さは実現できなかったでしょう。そして、いくら行動規範があっても口先だけで行動規範を説いても実際には行動できません。日ごろから、マニュアルを参考にしつつ、行動規範の元、自らが判断する訓練をされているからこそできるのです。言い換えれば、キャストは行動規範という判断基準の物差しを元にして、自らの判断基準の物差しを獲得していたのです。だからこそ、アルバイト主体の運営体制が滞りなく実現できるのです。

 このようなことは、あらゆることに通じます。例えば、事細かで厳しいだけの校則は、確かに学校運営はやりやすいでしょう。しかし、それだけでは子供たちは判断基準を育てることができません。子供たちは、全てを校則に頼るようになり、自分で判断しようとしなくなります。そして、成長と共に判断基準を育てるのではなく、最終的にはどうやったらルールの網を掻い潜れるかということを考えるようになってしまいます。そうやって、ずる賢いだけのマニュアル人間が生み出されるのです。

 しかし、授業中に騒がない、悪口を言わない、悪戯をしないなどと事象ごとに細かくルールを決めるのではなく、ただ一言、「他人に迷惑をかけない」で全てが解決できるのです。そして、何か問題が起きた時に、子供に対して、今の行動は他人に迷惑をかけていないかと問えば良いのです。そうやって繰り返していくうちに、子供たちは子供たちの中で、どこまでが供され、受け入れられるのか、そして、どこが踏み越えてはいけない一線なのかという行動基準を獲得するのです。もちろん、最初は間違えることもあるでしょう。しかし、日々の中で修正されて収れんしていくはずです。そして、そうやって一度適切な基準を獲得してしまえば、後はどのような事象に対しても対応することができるようになるのです。

 実社会は画一的なマニュアルとルールで規定できるほど単純ではありません。法律は、あまりにも多くの人がそれぞれの価値基準を持って生活しているために、それらを最低限のところでまとめるために、苦肉の策として今の形になっているにすぎません。ただ、法律も飲食店のマニュアルほど細かなものではなく、ある程度基準化されている面もありません。そのために、時にはその解釈が問題にされることもあります。しかし、本来なら十戒で良いのかもしれません。

 重要なことは、必要以上に詳細な内容で力任せにルールを守らせるのではなく、行動基準となる適切な物差しを子供たちの中に育てて、自分で判断できるようにしてあげることです。マニュアルとルールはそのための例示なのです。そうやっていく中で、基準と共に自主性が生まれ、真の成長が促されるのです。

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